計画の技術

「小手先ではなく、すべての計画領域に共通する根本的な計画力があるはずだ」

正解のない問題

「走りながら考える」これがモットーの鈴木さんは“飛込み業務”で問題児となった

計画軽視という言葉を「走りながら考える」と言い換えるとどうでしょうか。 計画軽視の自覚がない人も、これならピンとくるはずです。 走りながら考える、そんな仕事のやり方が普通に行われている日本の組織をたくさん見てきました。彼らは、目の前の作業に…

現場のエンジニアたちは、往々にして味のしなくなったガムを噛み続けることがある

ビジネス感覚に欠けた現場には、味のしなくなったガムを噛み続けているエンジニアがいます。もちろん、本当に職場でガムを噛んでいるわけではありません(汗)。すでに要求を満たす成果を生み出しているにも関わらず、それを「ああでもない、こうでもない、…

マネジメントが少しでも気を抜くと、現場は手当たり次第に作業に着手してしまう(2/2)

現場は悪気があるわけではなく、無計画に行動し、自分のペースで仕事をします。 コスト意識の低い現場では、これがコストオーバーランに直結します。 今回は、前回の内容をさらに掘り下げます。 プロジェクトにおける計画の欠如は、往々にしてコストオーバー…

マネジメントが少しでも気を抜くと、現場は手当たり次第に作業に着手してしまう(1/2)

現場はプロ集団です。プロは自分のペースで仕事をしたがるものです。 その様子は無邪気そのものです。 彼らには微塵の悪気もありませんが、計画的に物事を進めたい私たちにとって、これはかなり困りものです。 現場はこう言います。 「積極的に仕事をして何…

[計画の技術] 問い掛ける(query) ~問い掛けは計画にリズムを与え、うまい問い掛けは計画に奥行きを与える~

私は計画のポイントを「ODISQ(オーディスク)」と表現します。 O 俯瞰する(overlook) D 決める(determine) I 想像する(imagine) S 構造化する(structure) Q 問い掛ける(query) O、D、I、Sについてはすでに説明しました。 今回は「問い掛ける(qu…

計画は大事だが、未来を決めるのは計画ではなく目標設定だ [目標設定の原則](4)

4回目の今回は目標設定の話の最終回です。 トップダウン型で目標設定する場合の具体例を、目標設定のプロセスに沿って見て行きましょう。 今回も、例としては事業計画を取り上げます。 中身に入る前に目標設定の流れを復習しておきます。 目的を理解する 目…

計画は大事だが、未来を決めるのは計画ではなく目標設定だ [目標設定の原則](3)

3回目となる今回も、目標設定の話の続きです。 1回目では、パフォーマンスを向上したいなら計画よりも目標設定のあり方のほうが大切という話をしました。 目標設定の方法についても触れました。 私がお勧めするのは “トップダウン型” であることをお伝えしま…

計画は大事だが、未来を決めるのは計画ではなく目標設定だ [目標設定の原則](2)

今回は目標設定の話の続きです。 「パフォーマンスを向上したいなら計画よりも目標設定のあり方のほうが大切だ」 というのが前回の話でした。 言葉を足しながら、少し振り返ってみましょう。 期待は大きいのに事業成績が上がらず、幹部に見放されかけている…

計画は大事だが、未来を決めるのは計画ではなく目標設定だ [目標設定の原則](1)

事業運営やプロジェクト運営に限らず、私たちの身の回りのたいていのことにおいて、計画は大切です。なぜでしょうか。 理由は簡単です。 計画は目標(ゴール)達成の確立を高めるからです。 事業やプロジェクトの目標を達成するには計画が欠かせませんが、い…

「忙しすぎて計画どころではない」という状況を打ち破るには計画するしかない

以前にも書きましたが、計画に対する様々な誤解が計画軽視を招きます。ところが、計画が定着しない原因は、それだけではありません。 そこには、計画したくてもできないという現実があります。 「忙しすぎて計画どころではない」 この言葉を鵜呑みにするわけ…

[計画の技術] 構造化する(structure) ~うまく構造化できれば、計画者の意図が計画から浮かび上がる~

私は計画のポイントを「ODISQ(オーディスク)」と表現します。 O 俯瞰する(overlook) D 決める(determine) I 想像する(imagine) S 構造化する(structure) Q 問い掛ける(query) 今回は「構造化する(structure)」を深堀します。 「俯瞰する…

計画には効率性が大事! 計画は大切だが時間を掛けすぎてはいけない

私は計画の大切さを説いてきました。そんな私が言うのもなんですが、計画に時間を掛けすぎてはいけません。なぜなら、計画が成果物を生み出すわけではないからです。 私は仕事がら、計画を生業としているベテランたちの集いに参加することがあります。年配の…

計画者の出鼻をくじくのは、周囲の“有りがち”な誤解だった (2)

今回は、前回の続きです。 計画軽視の背景には、計画に対するさまざまな誤解があります。今回は、代表的な誤解の例を3つ取り上げます。 誤解 その1 計画してもその通りにはいかないから、計画はムダだ 誤解 その2 情報がそろわなければ計画はできない 誤解 …

計画者の出鼻をくじくのは、周囲の“有りがち”な誤解だった (1)

価値を生み出すのは “実行”、つまり実行段階ですが、きちんと実行して目標を達成するには “計画” が欠かせません。 計画の大切さを声高に唱える人たちは多いですが、それに違和感を抱く人たちがいないわけではありません。その背景には「計画は自分たちにど…

計画する目的を明らかにして “計画への迷い” を振り払え! 私の場合は “今のイメージのままでゴールを達成できるのか” を判断すること (2)

さて、前回は計画の目的について共有しました。 私の考える「計画の目的」はこうでした。 「今のイメージのまま進めていて、私たちは、果たしてゴールを達成できるのか?」という問い掛けに、納得いく答えを導き出すこと 今回はその続きです。 私は自身の経…

計画する目的を明らかにして “計画への迷い” を振り払え! 私の場合は “今のイメージのままでゴールを達成できるのか” を判断すること (1)

私はいま、ある組織の計画力向上に全力で取り組んでいます。そんな日々の中でいつも頭にあるのは「計画の目的って何だ?」という問い掛けです。 計画とはずいぶん長く向き合ってきているので、壁にぶつかるときもありました。そんな時は、原点回帰とでもいう…

計画は「習慣(基本行動)」から ~ ガバナンスの弱い日本の組織を大掛かりな「仕組み」だけで動かすのはかなり難しい ~

そのころ私は、ある組織のプロジェクトマネジメント力底上げに向け、プロジェクトマネジメント基本行動の定着を指導していました。収益性悪化の原因がプロジェクト運営の乱れにあると判断したお客様からの依頼でした。 調べてみると、技術者ひとりひとりの技…

韓国映画「パラサイト 半地下の家族」が社会風刺の中で問い掛けた「計画」の是々非々

2週間前の三連休に、私は韓国映画「パラサイト 半地下の家族」を観てきました。ソン・ガンホ主演の話題作です。韓流ドラマには興味はありませんが、韓国映画は大好きです。これまでにも「コクソン」「スパイダー・フォレスト」「オペレーション・クロマイト…

[自己啓発しよう]私たちは、ついつい計画の手抜きをしてしまう ~ ビジネスの現場では計画の手抜きが取り返しのつかない事態を引き起こしているのに ~

計画しておけば、計画せずに実行した場合よりも時間を節約できます。その理由について考えてみましょう。 プライベートならいざ知らず、ビジネスシーンでは、私たちは自分ひとりでものごとを成し遂げられるわけではありません。皆さんが作成した計画は、多く…

[計画の技術] 決める(determine) ~決められない人の計画は雑然としていて伝わってこない~

私は計画のポイントを「ODISQ(オーディスク)」と表現します。 O 俯瞰する(overlook) D 決める(determine) I 想像する(imagine) S 構造化する(structure) Q 問い掛ける(query) 今回は「決める(determine)」を深堀します。 計画に着手する…

計画できない人たちの「問題が顕在化しない」という課題は、計画できるようになったことで「顕在化した問題に手が打てない」という本質的な課題に変わった

ずいぶん前のことになりますが、そのITシステムインテグレーターは事業運営に苦戦していました。彼らの課題は「問題が顕在化しない」というものでした。苦労の末に解決に目途が立ち始めたころ、彼らの行く手に新たな課題が立ちはだかりました。それは「顕在…

「計画力を活かす」という観点から組織の問題解決能力成熟度モデルを考えてみた

私が「計画」に向き合うきっかけになったのは、二十数年前のアルテミス・インターナショナル日本法人への転職でした。 当時のアルテミス・インターナショナルは、おそらく世界で最も有名な、プロジェクトマネジメント方法論とプロジェクトマネジメントツール…

[計画の技術]俯瞰する(Overlook) ~全体俯瞰を欠いた計画には抜けが多く、実行段階に周囲との不協和音を生む~

私は計画のポイントを「ODISQ(オーディスク)」と表現します。 O 俯瞰する(overlook) D 決める(determine) I 想像する(imagine) S 構造化する(structure) Q 問い掛ける(query) 今回は「俯瞰する(Overlook)」を深堀します。 プロジェクトに…

「できるんじゃないか」というポジティブなひと言が、現場の計画力を育む

会議の場でよく耳にする言葉があります。 「できないんじゃないか」 このひと言が参加者全員を意気消沈させます。 計画の弱点を突くこのひと言が可能性を潰すのです。意見を否定された計画者は言葉を失い、心の中で「参りました」とつぶやきます。 あるプロ…

計画の定義、目的、そして「本質」について考える

先日の記事で「ODISQ(オーディスク)」を説明する際に、「計画の本質」という言葉を使いました。 ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ これら(ODISQ)は、私が長年の経験の中で抽出した計画上のキーワードであり、実行に効く計画を作成…

計画のマジックワード「ODISQ(オーディスク)」を意識しよう

多くの人たちに計画力を身に付けていただくためには、シンプルさを心掛けなければなりません。私は計画のポイントを「ODISQ(オーディスク)」と表現することにしました。 O 俯瞰する(overlook) D 決める(determine) I 想像する(imagine) S 構造…

たいていの場合、失敗の原因は計画にある

ものごとの本質をガッチリつかむには概念化が欠かせません。計画の本質を腹落ちするためには、計画やその周辺を概念的に捉えることが大切です。 そんなわけで、私は世の中をこんな風に概念化して捉えています。 「私たちの行動は、計画か実行かのいずれかに…

☆★ 計画力ブログ 始動します ★☆ 計画力をテーマにブログを書く理由

私は2013年に計画の本(実行に効く「計画の技術」)を著しました。 あれから6年、いまだにビジネスコンサルタントを続けている私ですが、計画力で多くのお客様の課題を解決し、お客様の計画力向上にお役に立ってきました。 そんな私がいま、改めて、自らが著…