計画の技術

「小手先ではなく、すべての計画領域に共通する根本的な計画力があるはずだ」

現状打破を目指すなら、欧米の成功事例を日本向けにアレンジしよう(1/3)

 

前回までのブログでは、欧米企業の成功事例を鵜呑みにしてはいけないという話をしました。有無を言わさず無理やりに導入したところで、逆にこれまで培ってきた日本企業の良さまでもが破壊され、逆効果となります。

 

私はコンサルタントになりたてのころから、欧米企業の成功事例を鵜呑みにする日本企業の変革活動に付き合いながら、危機感を募らせてきました。うまくいかない状況の中で、私は一時、こう考えていました。

 

「日本企業は中途半端に日本型を温存し、都合の悪いところはそのままに、欧米の成功事例をつまみ食いするからいけないのだ」

「やるなら心底、徹底的に真似なければいけない」

 

時が流れ、度重なる失敗に打ちのめされる中で、私は考えを改めました。

 

「成功事例を真似る前に、しっかりと計画して、目指す姿を定めなければならない」

 

そう考えたのです。

 

着目すべきは、欧米企業と日本企業の文化や価値観の違いでした。両者のギャップを理解し、日本企業の良さを実装方法にうまく埋め込むことができれば、もととなった成功事例を凌駕するほどの成果を生み出せる可能性すらあります。

 

欧米企業と日本企業のギャップについては、前回、例を挙げて説明しました。皆さんのこれまでの経験と照らし合わせていただくことで、具体的なイメージが膨らんだことでしょう。

 

しかし、成功事例を日本企業向けにアレンジするのは容易なことではありません。

 

皆さんの中には、私と同じように考え、欧米成功事例の日本向けアレンジに挑戦した方もいらっしゃるかもしれません。そんなチャレンジャーの多くが、道半ばにして途方に暮れる事態に陥っているのではないかと思います。

 

かくいう私も、日本向けアレンジに確実な方法を見いだせているわけではありません。いつも手探りです。しかし、そのうちのいくつかは成功しているわけで、コツのようなものはあります。

 

ポイントはふたつです。

 

  • 全体の底上げに時間をかける。
  • 権限委譲の方法を工夫する。

 

次回以降は、これらのそれぞれについて順に説明していきます。

 

 

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