計画の技術

「小手先ではなく、すべての計画領域に共通する根本的な計画力があるはずだ」

マネジメント力

現状打破を目指すなら、欧米の成功事例を日本向けにアレンジしよう(3/3)

3回構成でお届けしている今回のテーマですが、今回はその最終回です。 1回目では、欧米企業の成功事例を日本企業が導入する際の心構えについて書きました。 欧米企業と日本企業では文化や価値観が違うので、欧米のベストプラクティスを参考にして変革を進め…

現状打破を目指すなら、欧米の成功事例を日本向けにアレンジしよう(2/3)

前回は、欧米企業の成功事例を日本企業が導入する際の心構えについて書きました。 欧米企業と日本企業では文化や価値観が違うので、両者のギャップを理解することから始めなければなりません。その上で、実装段階には、日本企業の良さをうまく仕組みに埋め込…

現状打破を目指すなら、欧米の成功事例を日本向けにアレンジしよう(1/3)

前回までのブログでは、欧米企業の成功事例を鵜呑みにしてはいけないという話をしました。有無を言わさず無理やりに導入したところで、逆にこれまで培ってきた日本企業の良さまでもが破壊され、逆効果となります。 私はコンサルタントになりたてのころから、…

「成功事例を鵜呑みにする」は計画嫌いゆえの失敗だ(3/3)

3回目で最後となる今回の話に入る前に、これまでの2回を簡単に振り返ることにしましょう。 日本企業はかつて欧米の先進企業を模倣して成長してきました。欧米の進んだ技術を学び、それを日本人の工夫と情熱でさらに発展させ、ついには世界のトップに君臨した…

「成功事例を鵜呑みにする」は計画嫌いゆえの失敗だ(2/3)

前回は、日本企業の失われた30年について話しをしてきました。 私は、バブル崩壊後の日本企業の低迷がこれほど長く続いている理由のひとつは、日本企業が後先を考えず、欧米企業の成功事例の猿まねに走ったことだと考えています。 「うまくいっている人たち…

「成功事例を鵜呑みにする」は計画嫌いゆえの失敗だ(1/3)

私は職業柄、お客様の変革活動に関わることがよくあります。 そんな私が20年以上も前から感じている問題意識について書きます。 その問題意識というのがこれです。 「欧米の成功事例を鵜呑みにして失敗を重ねる日本企業の愚かさ」 私たちの身近にある日本企…

結局のところ、大事なのは計画に対するチームメンバーの当事者意識である(2/2)

前回は、計画作成に苦労した経験談をお伝えしました。 計画重視を声高に叫んだところで、多忙を理由にプロジェクトマネージャやリーダーたちは計画に時間を割こうとはしません。 「今は忙しいから」 これが、彼らが計画に時間を割かない理由ですが、プロジェ…

結局のところ、大事なのは計画に対するチームメンバーの当事者意識である(1/2)

前回のブログ(日程計画の「い・ろ・は」) では、計画作成に担当者を巻き込むことが日程計画を成功に導くポイントだと説明しました。これは日程計画に限った話ではありません。 「計画づくりにはチームメンバーを巻き込もう」 今回は、私の実体験をもとに、…

日程計画の「い・ろ・は」(2/2)

前回は、日程計画の中でも実行計画の「い・ろ・は」を挙げて終わりました。 実行計画とは文字通り、ゴールを達成するためにいつ、だれが、何をどう実行に移すのかの計画のことで、成功のポイントは計画作成に担当者を巻き込むことでした。 そして、実行計画…

日程計画の「い・ろ・は」 (1/2)

いろんな物事に始めの「い・ろ・は」があるように、日程計画にも「い・ろ・は」があります。日程計画を漠然と捉えて立ち尽くすのではなく、まずは「い・ろ・は」を身に付けましょう。 詳しい話に入る前に、日程計画の位置付けや種類について説明します。 プ…

「ズバリ!「仕事(WBS)はどの程度まで詳細化すればいいのか?」に答える

前回は「計画をどこまで詳細化すべきか」という極めて厄介な問題について書きました。 今回は、その続編とも言える内容です。 プロジェクトマネジメントの中でも実行計画に対象を絞り、さらに具体的に書きます。 私の本職はビジネスコンサルタントなわけです…

「計画をどこまで詳細化すべきか」という極めて厄介な問題に答えを出すためのヒント(2)

「計画をどこまで詳細化すべきか」は計画者にとって極めて厄介な問題です。 そこで、経験から私なりに導きだした方法を紹介しましょう。 計画の目的を明らかにする。 目的達成に向けて実行計画に求められる要件を整理する。 要件を満足するにはどの程度詳細…

「計画をどこまで詳細化すべきか」という極めて厄介な問題に答えを出すためのヒント(1)

どんな計画であれ、計画者にとって「計画をどこまで詳細化すべきか」は悩みの種です。計画に着手しようとした瞬間、多くの計画者がこの問題に頭を抱えることでしょう。 例えば事業計画で詳細化といえば目標数字のことが思い浮かびます。「目標数値をどこまで…

“計画”と“決める”の持ちつ持たれつの関係を理解することが大事だ

これまでも書いてきましたが、私は計画のポイントを「ODISQ(オーディスク)」という言葉で表現しています。 O 俯瞰する(overlook) D 決める(determine) I 想像する(imagine) S 構造化する(structure) Q 問い掛ける(query) “決める”は効果的…

細かな計画に入る前にまずは方向性を決めよう 私たちは目の前の具体的なことに目を奪われがちだ

世の中には計画が得意な人もいれば、苦手な人もいます。生まれ持った違いがあるのかもしれませんが、ことあるごとにこの違いについて考えてきました。 その都度いろいろな気づきがありましたが、その中には “コレだ!” と思うものもありました。 それがこれ…

計画の過程で表面化してしまった課題に対して "見て見ぬふり" をしないための方法

計画を立てていると、さまざまな課題が表面化してきます。これは計画の醍醐味のひとつではありますが、これが困った状況を招くのも事実です。なぜなら、表面化した課題を放置したままでは、その先の計画に進むことができないからです。 表面化した課題をどの…

知識を活かして切れ者になりたければ、その知識を “自分化” する能力を身に付けなさい (2)

インターネットのおかげで、私たちはさまざまな方法論を知識として蓄えられるようになりました。以前は専門的なトレーニングを受けたコンサルタントの専売特許だった方法論は、今や市民権を得つつあります。 しかし、書籍やインターネットで手に入れた方法論…

知識を活かして切れ者になりたければ、その知識を “自分化” する能力を身に付けなさい (1)

私の知る限りにおいて、よい計画が価値を生み出すのは決まって実行段階です。 思いがけない事件に巻き込まれることが少なくなった。 計画変更に伴う悪影響を予見できるようになった。 実行手順で迷うことがなくなった。 計画者の意図がわかるようになった。 …

計画の達人は詳細化にこだわる

計画する上で一番悩ましいのが詳細化です。 前回は “詳細度” について書きました。詳細度が粗すぎると計画の信頼性を担保できませんが、細かすぎると計画作成や進捗管理に手間がかかりすぎて長続きしません。 しかし、詳細度の見極めだけが詳細化の難しさで…

計画には正解が “ない” だから厄介だ (2/2)

前回は、計画には正解がないこと、正解がないために計画が厄介なことになることを説明しました。 [計画に正解がないがために引き起こされる問題] ① どこまでやればいいのかわからない。 ② 信念が揺らぐ。モチベーションを維持できない。 ③ 合意形成が大変…

計画には正解が “ない” だから厄介だ (1/2)

計画には「正解」がありません。 計画の難しさはこれに尽きます。 計画に骨が折れたり、計画を実行に移すための段取りで手間取ったりするのは皆、計画に正解がないことが原因しています。 [計画に正解がないがために引き起こされる問題] ① どこまでやれば…

計画の極意 “ツッコミどころ” を探せ! まずは「前提要因」に着目しよう(2/2)

何事もそうですが、前提の崩壊は大惨事を招きます。 前回は前提要因という “ツッコミどころ” の大切さについて例を交えて解説しました。 これ以外にも、前提が崩壊したために起こった失敗事例は枚挙にいとまがありません。 [業務改革には成功したが優先事項…

計画の極意 “ツッコミどころ” を探せ! まずは「前提要因」に着目しよう(1/2)

計画上手と評判の高い人たちは、懐に “ツッコミどころ” を忍ばせています。 彼らの “ツッコミどころ” は、ある時は計画の参加者たちをさらに深い議論へと導き、またある時は凝り固まった議論や偏見に満ちた議論に警鐘を鳴らします。 ところが、計画に不慣れ…

計画に効果的な3つの ”ツッコミどころ” 計画の達人は悩める人々にツッコミを振舞う

大雑把に言えば、計画上手と評判の高い人たちは、懐に山ほどの “ツッコミどころ” を忍ばせています。さらに驚かされるのは、彼らは計画の最中に、さらに多くの “ツッコミどころ” を見つけ出すことができるという点です。そして、計画作業の成り行きに合わせ…

計画が苦手な人には共通点がある 要は意識の問題だ (2/2)

計画が苦手な人は共通して計画を軽視しています。 そこで私は、計画軽視になる理由を考えてみることにしました。 私は目の前の “計画嫌い(計画軽視の人たちはこう呼ばれることが多い)” たちを観察しました。 そして、彼らの共通点に気付きました。 “計画嫌…

計画が苦手な人には共通点がある 要は意識の問題だ (1/2)

私は日頃から「計画」に思いを巡らせているわけですが、10年くらい前にマイブームだったのは「計画が得意な人と苦手な人は何が違うのか」という問い掛けの答え探しでした。 今回は、そのころ考えていたことを徒然と書くことにします。 計画が苦手な人は共通…

「私が叱られればいいんですよ」 それは計画力ナシ組織の断末魔の叫びに聞こえる

その製品開発プロジェクトが大きな問題を抱えていることは明らかでした。 あてにしていたエンジニアを調達できなかったことでプロジェクトの開始が3ヵ月遅れたにも関わらず、納期は以前のままでした。カギを握る技術に目途が立たないことを理由に、腕っこき…

「計画の技術」を梃子に繰り返すことで計画力は鍛錬できる(2/2)

計画力はあらゆる計画分野で通用する能力で、計画の基盤となる力です。事業計画か、プロジェクトマネジメントか、それとも提案活動かなどの計画分野の違いに関係なく、通用する能力なわけです。PMBOK(Project Management Body of Knowledge:プロジェクトマ…

先が読めないからこその計画力だ! 計画力で変化を味方にする

ビジネスシーンでは計画力が欠かせないわけですが、その重要性は年々高まっています。 事業やプロジェクトが複雑化、大規模化したことで、私たちは否応なく、たくさんのステークホルダー(利害関係者)を抱えることになりました。その結果、人々のスキルや行…

計画を「全体計画」と「詳細計画」に分けて考えると、実行段階の大きな失敗は「全体計画」が原因だった

プロジェクトで計画作成といえば詳細なWBSに基づく日程計画やリソース計画というイメージが強いですが、私はこれらを「詳細計画」と呼び、計画作成フェーズの後半に位置付けています。これに対して、フェーズ前半に位置付けているのが「全体計画」です。 全…