計画の技術

「小手先ではなく、すべての計画領域に共通する根本的な計画力があるはずだ」

ステークホルダーを巻き込んだ計画は期待以上の成果を引き出す(1/2)

 

ゴールを達成するために立てるのが計画ですが、私が著書のタイトル「実行に効く 計画の技術」に思いを込めたように、実行をどれほど効果的なものにできるかが計画の良し悪しを決めます。

 

大切なのは、計画の中で図られる、ステークホルダーたちの巻き込みです。

 

例えば、こんなことがありました。

 

舞台は石油プラントで使用するの大規模システムの開発プロジェクトで、登場人物はシステム部、設計部、生産計画部です。

 

システム部門は顧客に対峙して、システム全体をまとめ上げるのが役目です。設計部は、システム部門が作成した要求仕様に沿ってシステムを設計します。生産計画部は文字通り生産計画を作成し、これを拠りどころに納期を達成させるのが役目ですが、一品受注型ということもあり、生産計画というよりはプロジェクト全体の計画を主体的に担います。

 

生産計画部は、恒常的な生産日程の遅れに苦しんでいました。その原因は上流である設計部門の日程遅れにありましたが、トップマネジメントには、下流部門である生産部門が遅れを吸収すべきとの考え方が根強くありました。

 

そこで生産計画部は、以下の方針で課題解決に乗り出しました。

 

① 調達以降のプロセスを工夫して下流プロセスに柔軟性を確保する。

② 納期からの逆算で日程を積み上げることで設計期限(デッドライン)を明らかにし、設計部の日程順守を促す。

 

これらを実行に移すと、すぐに問題が表面化しました。

 

①は自分たちに閉じた話なので問題ありませんでした。問題は②の方です。

 

立ちはだかったの組織の壁でした。

 

設計部には、自分たちの技術力がこの会社を支えているという自負がありました。そんな彼らは、デッドラインを示したくらいではビクとも動きませんでした。

 

ところが、タイミングよく、ある情報が飛び込んできました。

トップマネジメントから設計部に、プロジェクトマネジメント力強化に取り組むようにお達しが下ったという情報でした。

一部の幹部の間では、かねてより、設計部のプロジェクト運営が問題になっていたのです。

 

さっそく、生産計画部の幹部は設計部とのトップ会談を企画しました。

 

自分たちの取り組みを説明すると、設計部のトップも「グッド・タイミング!」とばかりに身を乗り出してきました。

 

かくして、生産計画部は、計画作成プロセスに設計部を巻き込むことに成功しました。生産計画部は設計部と協力して、プロジェクトマネジメントプロセスを定着させるための週次のケイデンスを制定しました。

ケイデンス上に設計部門とのコラボレーションを埋め込んだわけです。

 

ケイデンス(cadence):
〔ダンスや行進の〕歩調、足拍子、〔詩の〕リズム、律動(周期的にくりかえされる運動)

 

この試みは功を奏し、当初の目標を上回る成果をあげました。

 

 

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