組織課題
3回目で最後となる今回の話に入る前に、これまでの2回を簡単に振り返ることにしましょう。 日本企業はかつて欧米の先進企業を模倣して成長してきました。欧米の進んだ技術を学び、それを日本人の工夫と情熱でさらに発展させ、ついには世界のトップに君臨した…
前回は、日本企業の失われた30年について話しをしてきました。 私は、バブル崩壊後の日本企業の低迷がこれほど長く続いている理由のひとつは、日本企業が後先を考えず、欧米企業の成功事例の猿まねに走ったことだと考えています。 「うまくいっている人たち…
私は職業柄、お客様の変革活動に関わることがよくあります。 そんな私が20年以上も前から感じている問題意識について書きます。 その問題意識というのがこれです。 「欧米の成功事例を鵜呑みにして失敗を重ねる日本企業の愚かさ」 私たちの身近にある日本企…
その製品開発プロジェクトが大きな問題を抱えていることは明らかでした。 あてにしていたエンジニアを調達できなかったことでプロジェクトの開始が3ヵ月遅れたにも関わらず、納期は以前のままでした。カギを握る技術に目途が立たないことを理由に、腕っこき…
今回は、私が問題プロジェクトのリカバリーに入ったときの実話です。 それは途方もない予算規模の大型プロジェクトでした。 契約が完了した時点で、このプロジェクトに許された開発期間はかなり厳しいものでした。このような状況下では、計画軽視の人々が幅…
計画力を強化すればするほど、進捗会議を通じて問題を早期に顕在化できるようになります。ところが、問題を抱え込んでいる組織では、せっかく顕在化したこれらの問題をうまく解決できていません。 問題がエスカレーションされず、途中で消えてしまう。 誰も…
今回は前回に続き、プロジェクトマネジメントを例にとって、私がどのようにして計画を躾けているのか、その方法について紹介します。 そこには「Microsoft Project」と「基本行動」が深く関わっていました。Microsoft Projectを日常的に活用させることでプロ…
ガバナンスの効いている組織では、変革の多くはトップダウンで行われます。現場の納得感よりも組織の利益が優先されますし、現場もそれを理解しているからです。欧米企業や外資系企業が短期間で変革を成し遂げられるのはこのためです。 しかし、このやり方で…
私は計画の大切さを説いてきました。そんな私が言うのもなんですが、計画に時間を掛けすぎてはいけません。なぜなら、計画が成果物を生み出すわけではないからです。 私は仕事がら、計画を生業としているベテランたちの集いに参加することがあります。年配の…
そのころ私は、ある組織のプロジェクトマネジメント力底上げに向け、プロジェクトマネジメント基本行動の定着を指導していました。収益性悪化の原因がプロジェクト運営の乱れにあると判断したお客様からの依頼でした。 調べてみると、技術者ひとりひとりの技…
ずいぶん前のことになりますが、そのITシステムインテグレーターは事業運営に苦戦していました。彼らの課題は「問題が顕在化しない」というものでした。苦労の末に解決に目途が立ち始めたころ、彼らの行く手に新たな課題が立ちはだかりました。それは「顕在…