計画の技術

「小手先ではなく、すべての計画領域に共通する根本的な計画力があるはずだ」

ガバナンス

ステークホルダーを巻き込んだ計画は期待以上の成果を引き出す(2/2)

前回の話を軽く振り返りましょう。 生産計画部は、恒常的な生産日程の遅れに苦しんでいました。その原因は上流である設計部の日程遅れにありました。 生産計画部は以下の方法で課題解決に取り組みました。 納期からの逆算で日程を積み上げることで設計期限(…

ステークホルダーを巻き込んだ計画は期待以上の成果を引き出す(1/2)

ゴールを達成するために立てるのが計画ですが、私が著書のタイトル「実行に効く 計画の技術」に思いを込めたように、実行をどれほど効果的なものにできるかが計画の良し悪しを決めます。 大切なのは、計画の中で図られる、ステークホルダーたちの巻き込みで…

トップダウンかボトムアップか、それを決めるのは計画だ(3) “ すり合わせ” と “権限移譲” に翻弄されるな

トップダウンでいくべきときか、ボトムアップでいくべきかの判断は計画に盛り込んでおくべきです。 欧米型のトップダウンでなければ世界に取り残されるだとか、ボトムアップ型でなければ現場の強みを生かせないだとか、そんな問題ではありません。トップダウ…

トップダウンかボトムアップか、それを決めるのは計画だ(2)

前回は「トップダウンでいくべきときか、ボトムアップでいくべきかの判断は計画に盛り込んでおくべきだ」という話をしました。 欧米型のトップダウンでなければ世界に取り残されるだとか、ボトムアップ型でなければ現場の強みを生かせないとかの問題ではなく…

トップダウンかボトムアップか、それを決めるのは計画だ(1)

今回は「トップダウンでいくべきときか、ボトムアップでいくべきかの判断は計画に盛り込んでおくべきだ」という話です。 2部構成の前半の今回は、ビジネスにおける ”トップダウン” と ”ボトムアップ” について私の理解を共有させていただき、最後に、計画と…

「計画の技術」を梃子に繰り返すことで計画力は鍛錬できる(1/2)

事業環境やプロジェクトが複雑化、大規模化した今だからこそ、私たちの計画力は実践の場で常に試されています。計画力のある人や、計画力のある人をたくさん抱え込んでいる組織が成功できる、私たちはそんな時代に生きています。 時代の流れを読むことに長け…

計画しているとうまくいくから「計画」の有難みがない ~ 計画の大切さとプロジェクトリカバリーの難しさを私は失敗体験から学んだ~

今回は、私が問題プロジェクトのリカバリーに入ったときの実話です。 それは途方もない予算規模の大型プロジェクトでした。 契約が完了した時点で、このプロジェクトに許された開発期間はかなり厳しいものでした。このような状況下では、計画軽視の人々が幅…

問題を抱え込んでいる組織の人たちには周回軌道を外れる勇気と瞬発力が必要だ (2/2)

プロジェクトマネジメント基本行動定着活動については、これまでも何度か取り上げてきました。この活動をスタートした背景には、プロジェクトの問題を早期発見することでプロジェクトに起因する事業問題を未然に防ぎたいという組織の思いがありました。問題…

問題を抱え込んでいる組織の人たちには周回軌道を外れる勇気と瞬発力が必要だ (1/2)

計画力を強化すればするほど、進捗会議を通じて問題を早期に顕在化できるようになります。ところが、問題を抱え込んでいる組織では、せっかく顕在化したこれらの問題をうまく解決できていません。 問題がエスカレーションされず、途中で消えてしまう。 誰も…

ガバナンスの効かない組織に計画を定着させられるのか? 私が出したひとつの答え

私は外資系企業に勤めた経験があります。そこは、ガバナンスが前提の組織でした。戦略やさまざまな変革施策、目的意識や目標設定、働き方に至るまで、組織によって敷かれたレールの上で行動していました。 外資系企業の日本法人で働いていた人たちの大半は日…

現場のエンジニアたちは、往々にして味のしなくなったガムを噛み続けることがある

ビジネス感覚に欠けた現場には、味のしなくなったガムを噛み続けているエンジニアがいます。もちろん、本当に職場でガムを噛んでいるわけではありません(汗)。すでに要求を満たす成果を生み出しているにも関わらず、それを「ああでもない、こうでもない、…

マネジメントが少しでも気を抜くと、現場は手当たり次第に作業に着手してしまう(2/2)

現場は悪気があるわけではなく、無計画に行動し、自分のペースで仕事をします。 コスト意識の低い現場では、これがコストオーバーランに直結します。 今回は、前回の内容をさらに掘り下げます。 プロジェクトにおける計画の欠如は、往々にしてコストオーバー…

マネジメントが少しでも気を抜くと、現場は手当たり次第に作業に着手してしまう(1/2)

現場はプロ集団です。プロは自分のペースで仕事をしたがるものです。 その様子は無邪気そのものです。 彼らには微塵の悪気もありませんが、計画的に物事を進めたい私たちにとって、これはかなり困りものです。 現場はこう言います。 「積極的に仕事をして何…

計画は「習慣(基本行動)」から ~ ガバナンスの弱い日本の組織を大掛かりな「仕組み」だけで動かすのはかなり難しい ~

そのころ私は、ある組織のプロジェクトマネジメント力底上げに向け、プロジェクトマネジメント基本行動の定着を指導していました。収益性悪化の原因がプロジェクト運営の乱れにあると判断したお客様からの依頼でした。 調べてみると、技術者ひとりひとりの技…