事業運営やプロジェクト運営に限らず、私たちの身の回りのたいていのことにおいて、計画は大切です。なぜでしょうか。
理由は簡単です。
計画は目標(ゴール)達成の確立を高めるからです。
事業やプロジェクトの目標を達成するには計画が欠かせませんが、いい加減な目標設定をしていたのでは計画する意味はありません。
理想(目的とするあるべき姿)を描き、その実現に向けて自分たちのパフォーマンスを向上し、明るい未来を手に入れたければ、私たちは目標設定のあり方に着目せざるをえません。
- 目標を達成できていないなら計画に力を入れる
- パフォーマンスを向上したいなら目標設定に力を入れる
そこで今回は、今後4回に渡り、目標設定をテーマに話をすることにしました。ブログ更新は隔週ゆえに約2カ月の長丁場となりますが、ぜひお付き合いください。
そんなわけで、最初に考えたいのが目標設定の方針です。
なんとなく目標を決めているという方もいらっしゃいますが、多いのはこのやり方です。
「頑張ればギリギリ達成できそうな目標を設定している」
しかし、これではパフォーマンス向上には貢献できません。現状ありきの目標設定になっているからです。
私がお勧めするのはコレです。
「目標はトップダウンで設定する」
どういうことでしょうか…
目標設定の方針には大きく分けて3つあります。
ボトムアップ型 ・・・ 現場からの積み上げで目標を設定する
トップダウン型 ・・・ 組織幹部が目標を設定する
調整型 ・・・ 幹部と現場の調整(すり合わせ)で目標を設定する
ボトムアップ型からは緩い印象を、トップダウン型からは厳しい印象を受けます。ボトムアップ型からは現場や個人を尊重した思いやりを感じますが、トップダウン型からはワンマンさを感じます。
そこで、ボトムアップ型とトップダウン型のふたつについて長所と短所を整理しておきましょう。
[ボトムアップ型]
長所:
- 現場の英知をビジネスに反映しやすい。
- 現場のモチベーションや当事者意識を向上できる。
- 実現可能な目標となる。
- 責任が曖昧で、なおかつ、部分最適に陥りやすい。
- 目的(組織の戦略や方針)との整合が薄くなる。
- チャレンジングな目標設定がやりづらい。
[トップダウン型]
長所:
- 現場には融通の余地が少なく、創意工夫しなくなる。
- 目標設定の仕方によっては現場のモチベーションは低下し、自己中心に陥りかねない。
- 組織に対する忠誠心や一体感を育みづらい。
いかがでしょうか。
日本の組織にはボトムアップ型を採用する組織が多いのに対し、欧米の組織にはトップダウン型を採用する組織が多いのですが、それも頷ける気がします。
このうち、私がお勧めするのは “トップダウン型” です。
“調整型” は目標設定では論外です。どっちつかずで終わってしまい、最悪です。
調整やすり合わせは日本人の真骨頂ですが、これは実行フェーズに有効なのであって目標設定ではダメです。
私はいつも、欧米企業のやり方を日本企業が鵜呑みにするのには反対しているのですが、目標設定においては、欧米企業のやり方の方が合理的で的を射ていると考えています。
その理由と、トップダウン型を採用した場合の目標設定の流れについては、次回、詳しく説明します。
2週間後にまた会いましょう。
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