計画の技術

「小手先ではなく、すべての計画領域に共通する根本的な計画力があるはずだ」

計画者の出鼻をくじくのは、周囲の“有りがち”な誤解だった (1)

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価値を生み出すのは “実行”、つまり実行段階ですが、きちんと実行して目標を達成するには “計画” が欠かせません。

 

計画の大切さを声高に唱える人たちは多いですが、それに違和感を抱く人たちがいないわけではありません。その背景には「計画は自分たちにどのような価値をもたらすのか」という疑問があるからではないでしょうか。

私も計画の大切さを唱えている大勢の中のひとりですが、計画が単独で価値を生み出すとは考えていません。

この際、はっきりと言います。

 

「計画は実行のためにある」

 

これが私の主張です。

「今さらそれか?」と舌打ちした方もいらっしゃるかもしれませんが、これが今、とても大切なのです。

 

計画それ自体に価値がないなら、なぜ計画をするのか。

その答えは「結果が違うから」です。

計画自体に価値はありませんが、実行した結果として得られる成果や目標達成の度合いはまったく違います。計画と実行をセットでとらえればわかりやすいでしょう。

 

[計画しないで実行した場合の結果]

  • 成果は終わってみないとわからない
  • 終わったときが終わるとき
  • かかった費用が支払う費用

 

[計画して実行した場合の結果]

  • 成果は予測できるし、コントロールできる
  • 狙ったところが終わるとき
  • 狙った費用が支払う費用

 

これは当たり前のように聞こえるかもしれませんが、けっして当たり前ではありません。なぜなら、ビジネスの現場では計画軽視がいまだに続いているではないですか。

 

計画を立てているうちは、失敗も成功もりません。計画をしている段階に成功や失敗が表面化することはないという意味です。成功も失敗も、表面化するのは計画を実行に移した段階です。そのため、得てして失敗の原因はあたかも「実行」にあるように思われがちで、これが、現場の計画軽視につながっています。

冷静になって思い出してください。皆さんが侵した失敗は、事前に予測できませんでしたか。予測できないにしても予感ぐらいはなかったですか。事前に関係者で納得いくまで議論していたとしても結果は同じでしたか。

私の場合、失敗の原因の多くは計画段階にありました。

 

計画軽視の理由はそれだけではありません。

計画軽視の背景には、計画に対するさまざまな誤解があります。代表的な誤解の例を3つ挙げます。

 

誤解 その1            計画してもその通りにはいかないから、計画はムダだ

誤解 その2            情報がそろわなければ計画はできない

誤解 その3            いったん計画を作成したなら、それを変更してはいけない

 

次回は、これらひとつひとつを解説します。

 

 

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