計画の技術

「小手先ではなく、すべての計画領域に共通する根本的な計画力があるはずだ」

計画する目的を明らかにして “計画への迷い” を振り払え! 私の場合は “今のイメージのままでゴールを達成できるのか” を判断すること (1)

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私はいま、ある組織の計画力向上に全力で取り組んでいます。そんな日々の中でいつも頭にあるのは「計画の目的って何だ?」という問い掛けです。

計画とはずいぶん長く向き合ってきているので、壁にぶつかるときもありました。そんな時は、原点回帰とでもいうのでしょうか、いつもこの問い掛けに立ち返ることにしています。

この問い掛けは私の原点であり、最終的な到達点でもあります。

 

私が出会う人たちの中には、計画に消極的な人もいます。彼らは計画の大切さを否定しているわけではありませんが、計画することへの迷いはあります。

 

「計画の大切さは分かるが、多くの時間を割かれるのは勘弁してほしい。なんとかならないものか?」

「深夜残業が続く状況下でも計画をしなければならないのか? 現場作業を優先すべきではないか?」

「計画しだすときりがない。どこまで詳細に計画すればいいのか?」

 

彼らの言葉から、私は大切なことに気づかされました。多くの人は、計画することによる恩恵と計画にかける時間とのバランスに悩んでいるのです。

「何のために計画しているのか?」という問い掛けは、こんな時に意味を持ちます。

計画の目的が決まれば、現状において、計画がどれほどの価値を持つのかがわかります。その結果、計画をどれほど詳細化すればいいのか、計画にどれほどの時間をかけるべきなのか、計画と現場作業のどちらに時間をかけるべきなのかの判断がつきます。

 

計画に何を求めるかは人によって、もしくは時と場合によってさまざまですが、私は計画の目的をこう考えています。

 

“今のイメージのまま進めていて、私たちは、果たしてゴールを達成できるのか?」という問い掛けに、納得いく答えを導き出すこと”

 

計画は、自分の進め方のイメージをわかり易く “概念的” に整理することから始まります。

ゴールから逆算して計画する人もいますが、私の場合は、最初に自分のイメージを積み上げます。そして、積み上げて得られた結果を目指すゴールと比較します。ゴールを達成できそうなら、その計画を実行に移せばいいだけです。ゴールを達成できそうになかったら、何か手を打たなければなりません。打ち手を洗い出し、それを計画に反映するのです。これを、ゴールを達成できるまで繰り返します。

 

どの程度の時間をかけて、どこまで計画を詳細化すればいいのか…

この答えは「ゴールを達成できるか否かの判断がつくまで」です。

時間をかければかけるほど計画の質が向上するわけではありませんが、計画の質を向上させリスクを軽減させるにはそれなりの時間が必要です。計画に時間をかけたくないなら、自分がリスクを背負うしかありません。リスクを背負ってでも現場作業を優先したいのなら、私はそれを止めません。

計画にどれほど時間をかければいいのか、どこまで詳細に計画すればいいのか、その答えは「あなたはどれだけのリスクを背負えるか」これにかかっています。

 

計画に多くの時間を割く人も、計画よりも現場作業に時間を割きたいと考えている人も、ゴールを達成したいという気持ちは同じです。違うのは、ゴールを達成するために、計画と現場作業のどちらを選ぶかです。限られた時間を計画に割くべきだと考えるのか、それとも現場作業に割くべきだと考えるのか、このあたりの認識の違いだけです。

 

もし、ゴール達成に向けてやることが明らかで、その結果、期限を達成できる目途が立っているなら、計画するよりも現場作業に時間を割くべきです。

例えば、期限までに1週間しかないとします。その1週間にやらなければならないことが明らかで、それをやっているだけで1週間かかりそうなのであれば、計画に1日を割くのは賢明ではありません。ところが、目の前にやることがてんこ盛りで1週間後の期限に間に合うかさえ想像がつかないようなら、いったん手を止めて、計画に時間を割くべきです。

 

今回は、計画の目的について、私の考えを共有させていただきました。

次回は実例を挙げながら、同じテーマについて考える予定です。

 

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