計画者は計画の良し悪しを判断する目を持っていなければなりません。
良し悪しを判断できれば、それは、自分が立てた計画を納得いくレベルまでブラッシュアップするためのモチベーションにつながります。
私が考える「良い計画」とは次のような特徴を持っています。
- 前提条件が明確になっている
- 論理的に検討されている
- しっかりと予測されている
以前に計画のポイントを「ODISQ(オーディスク)」と説明しましたが、このODISQと良い計画の特徴を対比させることで、その意味合いがよくわかります。
O 俯瞰する(overlook)
D 決める(determine)
I 想像する(imagine)
S 構造化する(structure)
Q 問い掛ける(query)
「1 前提条件が明確になっている」は「俯瞰する(O)」と「決める(D)」を通じて達成されます。
前提条件は計画対象を俯瞰する際の基本的な部分で、計画の序盤に取り上げるべきテーマです。
たとえば会社の幹部が皆さんを役員室に呼び出し「君にこのプロジェクトを任せるから頑張ってくれ」と声をかけたとします。皆さんは計画マインドを発揮し、席に戻るやいなや計画に取り掛かるわけですが、勇み足はいけません。
まずは頭を冷やして全体を「俯瞰(O)」して前提条件を整理すべきです。
ところが残念ながら、そのときまでに前提条件がすべて出揃っているとは限りません。いや、むしろ揃っていないほうが普通です。
そんなわけで、皆さんは前提条件の欠如を補うために、自ら前提条件を設定することになります。それが「決める(D)」です。
続いて「2」と「3」ですが、これは説明不要です。
「2 論理的に検討されている」はズバリ「S 構造化する」によって達成されます。
「3 しっかりと予測されている」は「I 想像する」ことそのものです。
「Q 問い掛ける」は計画手法のひとつとして「1」「2」「3」のすべてに働き掛けます。
ここまで説明してきた3つの特徴を、もう少し具体的に書き出しておきましょう。
- 前提条件が明確になっている
- 外部から与えられた前提条件が具体的に記述されている。
- 自ら設定した前提条件が具体的に記述されている。
- 論理的に検討されている
- 網羅性が高い。
- 各部が、実行に移しやすい適切な詳細度になっている。
- 構成要素間の関係性がわかり易い。
- 色分け(分類)ができている。
- 優先順位が付けられている。
- しっかりと予測されている
- 不明な点や不確実な点が明らかにされている。
- 検討が不十分なまま放置されている箇所がない。
- 仮説を含んでおり、仮説の内容が明らかになっている。
- しっかりと調整され、合意されている。
どうでしょうか、良い計画の特徴について具体的にイメージできましたか?
私たちが計画をする際、特に見逃しがちなのが「色分け(分類)ができている」と「優先順位が付けられている」の2つです。
これらについて少し補足しておきます。
計画は自分だけのものではありません。すべての関係者の拠り所となるものです。誰が見てもわかり易い計画でなければ「実行に効く計画(私の著書のタイトルです)」とは言えません。
良い計画からは計画者の意図が伝わってくるものです。それに欠かせないのが「色分け(分類)」と「優先順位」です。
色分けは計画のわかり易さに欠かせません。優先順位からは計画者の意図がダイレクトに伝わってきます。
最後に付け加えておきますが、計画が実行段階に真価を発揮するにはメンテナンス性が欠かせません。
メンテナンス性が悪い計画は、実行段階に放置されてしまいます。論理的に構成された計画は、この点においても優れています。
実は、「良い計画」に共通する特徴は、そのまま計画のデキを評価するためのチェックリストとしても役立ちます。
誰しも、計画を立て終わるとホッとします。
やっと書き終わった計画を読み直し、チェックするのは気が重い作業です。
しかし、せっかく目的を持って作成した計画なわけですから、欠点はできるだけ解消しておきたいものです。
そのためには、皆さんが丹精込めて作成した計画が「良い計画」の特徴に当てはまっているか、心に余裕があるときで構いませんから、ぜひチェックしみてください。
実行段階には、その成果がきっと表われるはずです。
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