計画の技術

「小手先ではなく、すべての計画領域に共通する根本的な計画力があるはずだ」

先が読めないからこその計画力だ! 計画力で変化を味方にする

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ビジネスシーンでは計画力が欠かせないわけですが、その重要性は年々高まっています。

 

事業やプロジェクトが複雑化、大規模化したことで、私たちは否応なく、たくさんのステークホルダー(利害関係者)を抱えることになりました。その結果、人々のスキルや行動をまとめ上げて効率的に機能させることの重要性が高まりました。

 

これが、計画力の重要性が高まっている最大の理由です。

 

場当たり的に問題を解決できるのは、少人数で活動する場合です。

たくさんの人を効果的に動かすには、全員でゴールを共有した上で、ゴールを達成するための手順や各人の役割分担を示さなければなりません。

 

[事業やプロジェクトが複雑化、大規模化している背景]

  • 部門間連携や企業間連携
  • グローバル化、多国籍化
  • 商品の高性能化、高機能化
  • 技術の高度化、複雑化
  • 商品同士の連携、社会インフラ、企業インフラとの連携

 

実行段階に入ると、ステークホルダーの数に比例して状況の把握が難しくなります。私たちは、効果的で効率的なマネジメントを心掛けなければならなくなります。

“効率的” に現状を把握して “効果的” な手を打つには、ベースラインとなる計画が欠かせません。ベースラインがあるからこそ目指している姿とのギャップを追尾できるわけです。

目の前の出来事が将来的にどのような影響をもたらすのか、打ち手は解決策としてどの程度効果的なのかを把握するためのも、計画を用いたシミュレーションは欠かせません。

 

しかも、ステークホルダーが多ければ多いほど、彼らと直に会って納得いくまで議論するのは難しくなります。このような状況下では計画は独り歩きします。計画に対する認識のズレが生まれ、チームの行動や意識は噛み合わなくなり、総合力を発揮できないばかりかお互いが足を引っ張ることにさえなりかねません。

そうならないためには、たとえ面識のない人が計画を目にしたとしても、その計画内容から、計画者の意図や自分が果たすべき役割を読み取れなるようでなければなりません。

 

いまや、説明しなければ理解してもらえないような計画では役に立ちません。

計画者の意図がにじみ出て感じられるような計画でなければなりません。

 

 

ところが、これとは逆に「計画には意味がなくなってきた」と主張する人たちもいます。先が読めない時代に計画は役に立たないというわけです。

確かに否定はできません。

新薬候補物質探索のように予測が困難な分野、スマホアプリ開発のように試行錯誤や方針転換が頻発する分野では、確かに計画の効力は低下するからです。

しかし、事業立ち上げや商品開発の分野は別です。

 

計画プロセスを通じて将来を予測することや決定を下すことには価値があるからです。

事業環境やプロジェクト環境の変化に適切に対処するには、変化の兆しと影響度を見極め、対策の影響範囲やその先の未来を予測する必要があります。

 

このようなケースではベースラインとなる計画は欠かせません。

 

不足に気付いて経営資源を補うこと、識別したリスクに対処すること、市場の変化に対応してターゲットセグメントを再設定すること、競争相手に負けないように提供価値を磨き上げること、これらはすべて、計画を抜きにしては語れません。

つまり、対象とする分野にもよりますが…

 

先が読めないからこそ計画の重要性は高まる

 

のです。

 

[ビジネスの先が読めなくなっている背景]

  • グローバルな競争環境
  • 激しい変化、パラダイムシフト
  • 新規性の増加
  • 新興市場に対する認識不足
  • 情報拡散スピードの速さ、情報の氾濫
  • 不十分な状況下でのスタートアップ
  • ベンチャー企業の台頭

 

ビジネス環境やプロジェクト環境の変化を食い止めることは私たちにはできません。

変化を味方にするために、私たちは計画力を磨かなければなりません。

 

 

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